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蝉の声が忙しなく響き、より一層暑さを際立たせている。
公園のベンチに腰掛け、ペットボトルのミネラルウォーターに口をつけた。
冷たさを失った液体がとろんと喉を通っていく。
一息に飲み干し乾きを潤すと、大きく息を吐いた。
内部の水分は汗に変わり、額を濡らす。
太陽はビルの隙間に吸い込まれそうになっている。
今まさに消えかかっているこの瞬間が好きだ。
赤い光が頬を撫で、僕は太陽の眠りを見送る。
まだ眠らせない。
立ち上がり、川沿いを歩く。風が吹くと野草が夏の香りを運ぶ。
まだ眠らせない。
橋を渡りながら振り返る。薄闇が空を包み始めている。
手すりに当たる光が幾何学の影をつくり、それは美術品のような造形だった。
正面に太陽。
橋の先にある欠片ほどの姿を、僕は追いかける。




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